© Rotary International/Monika Lozinska
2015-2016年度
国際ロータリー第2630地区ガバナー岡田 信春(おかだ のぶはる)鈴鹿シティロータリークラブ
「感謝」この一年、本当にありがとうございました。
締め切りの関係上、本稿は4月半ばに執筆しております。東日本大震災の悪夢さめやらぬうちに、今度は熊本で大地震が発生しました。第2720地区ロータリアンの皆さんをはじめ、被災された方々に謹んでお見舞い申し上げますとともに、一日も早く平穏な生活を取り戻せますよう心よりお祈り申し上げます。
さて、6月は「ロータリー親睦活動月間」です。ロータリー親睦活動とは、共通の趣味や職業をもったロータリアンが、RIの承認を受け、国境を越えて結成したグループによる活動プログラムを指し、釣り・マラソン・ロータリー歴史・医師・大会参加者等々、そのジャンルは多岐にわたっています。残念ながら、日本人が主になって運営しているグループは、「碁」他、数は少ないようですが、共通の趣味・職業を通じて、世界各国のロータリアンと親睦をはかる絶好の機会となりますので、ぜひ一度ネットで検索していただき、面白そうな活動がありましたら積極的に参加してみてください。国際理解と親善を推進するにあたっては、できるだけ多くの人に接することが重要です。
一方、各クラブでも、様々な形で親睦活動に取り組んでおられることと思います。我が鈴鹿シティRCでも、移動例会として、お花見・花火見物・紅葉狩り・クリスマスパーティー等、四季折々の風情を会員・家族とともに味わい、あるいは、野球・テニス・ツーリング・競馬観戦他、同好の士が集まり、学生時代の部活さながら親睦活動にいそしんでいます。かく言う私もゴルフ部長の任にあり、この一年間は少々休みがちでしたが、7月以降は積極的に顔を出す予定で、今から楽しみにしています。こうした活動は、皆を自然と笑顔にし、友情の扉を開くきっかけになりましょう。そして、親睦を深める機会は、例会をはじめロータリー活動のあらゆる場面に用意されています。寛容の精神をもって互いに切磋琢磨し、自己改善をはかることで、ともに奉仕の心を育む親睦が深まるのです。
唐突ですが、皆さんは、スティーヴン・キング原作のアメリカ映画「スタンド・バイ・ミー」をご覧になったことがありますか?ラストシーンで記された「あの12歳の時のような友達はもうできない。もう二度と・・・・・・」のメッセージには、観た人だれもが、自身の帰らざる日々を重ね合わせ、切ない気持ちになったはずです。でも大丈夫です、ロータリーでなら。たとえ何歳であろうと、純粋に心を通じ合える友達が、いつでもできるのですから。
RIテーマ「世界へのプレゼントになろう」のもと始まった2015-2016年度もいよいよ最後の月となりました。おかげさまで、この一年間、地区内外の多くのロータリアンに出会い、親睦を広めることができました。今後とも「今、行動するロータリアン」として、奉仕を実践していく所存ですので、よろしくお願いします。第2630地区の皆さん、特にそばで支えてくれた鈴鹿シティRCの皆さんの友情に感謝申し上げ、ガバナーメッセージの結びといたします。
5月26日・27日、いよいよ伊勢志摩サミット(先進国首脳会議)が開催されます。「世界のリーダーたちに、日本の美しい自然と豊かな文化や伝統を肌で感じてもらえる」すばらしいサミットになることを願ってやみません。そして、28日からは、全世界120万ロータリアンの一大フェスティバル、国際ロータリーソウル大会。参加人数約5万人の史上最大規模の大会となる模様です。イベント盛りだくさんの、記憶に残る大会になることでしょう。皆さんとKINTEXでお会いできるのが今から楽しみです。
さて、今月は「青少年奉仕月間」です。標準ロータリークラブ定款第5条には「奉仕の第5部門である青少年奉仕は、指導力養成活動、社会奉仕プロジェクト及び国際奉仕プロジェクトへの参加、世界平和と異文化の理解を深め育む交換プロジェクトを通じて、青少年及び若者にとって、好ましい変化がもたらされることを目的とするものである」と記載されています。そして当地区においてもその目的を達成すべく、「インターアクト」「ローターアクト」「青少年交換」「青少年育成」の各小委員会をはじめ、各クラブ、ロータリアンの皆さんが青少年の模範たるべく、諸活動に熱心に取り組んでいただいているものと存じます。
私も以前から、微力ながら「青少年交換」事業に携わっており、派遣・受け入れ双方の留学生に対し、スピーチの仕方から留学に際しての心構えにいたるまで、かなり厳しく指導してまいりました。物見遊山の留学に終わらせるのではなく、国の将来を担うにふさわしいリーダーシップと郷土に対する愛情、グローバルな見識を兼ね備えた留学生を、1人でも多く世に送り出すことができればと常に念じている次第です。留学期間を終えた青少年の、何とも頼もしい成長ぶりを目の当たりにすることが何よりの楽しみとなっております。
ところで皆さんにお願いがあります。それは「ローターアクト」についてです。「ローターアクト(RA)」とは、18~30歳の若者を対象に、奉仕を指向する指導者を育成するためにロータリークラブが提唱する団体です。当地区には、現在8つのRAのクラブがありますが、歴史あるクラブほど会員減少に悩んでいます。高校のクラブ活動としてすっかり定着した「インターアクト」と違い、RAは、その維持存続がとても難しいのです。RAを盛り上げるためには、提唱クラブだけでなく、当地区すべてのクラブ、ロータリアンのご理解とご協力が欠かせません。見所のある若者は、あなたのすぐ近くにもいるはずです。積極的に青少年奉仕プログラムへの参加を呼びかけてください。そして心をこめて若者たちを歓迎しましょう。
ロータリーのみならず地域の、さらには世界の未来を切り開く若者たちの発掘と育成に、ともに情熱を注ごうではありませんか。
春の彩りに満ちた今日この頃、新しいことにチャレンジしてみたくなる季節の到来です。皆さん、ここはひとつ思い切って、これはと思われる人物をロータリーに誘ってみましょう。ラビンドランRI会長は、会員増強に関して「ロータリーの会員であったからこそ可能となったことについてぜひお話いただきたいと思います。皆さまご自身のロータリーストーリーこそ、新たな入会に向けて人の心を動かす力となります。」と述べられています。なぜ自分はロータリアンであり続けるのかを常に意識しながら、人に語れるロータリー体験を積み重ね、自信をもって会員増強にお努めください。
さて、今月は「母子の健康」月間です。今なお世界では出産数10万人あたり210人の妊産婦が、そして出生数1000人あたり20人の新生児が命を落としています。我が国の場合は、それぞれ10万人あたり3.8人、1000人あたり1人の死亡率であることと比較すると、いかに多い数字かおわかりいただけましょう。妊産婦の死因としては分娩時の出血多量・感染症・中絶による合併症等が、新生児の死因としては、早産・栄養不良・感染症等があげられますが、いずれも適切な医療サービスの提供・家族計画の指導・疾病予防の啓発・栄養失調の予防といったケアに取り組むことで、多くの命を救うことができます。そして、ロータリーは、世界各地で、母子の健康を改善し、妊婦・乳幼児の死亡率を減らすための活動と研修を支援しています。家庭・地域社会そして世界の健全な持続・発展は、母子の健康を抜きにしては語れず、ロータリアンとして重点的に取り組まねばならない問題なのです。具体的な活動例・支援の方法等については、MY ROTARY他を参照いただきますようお願いします。
蛇足ながら。近年、我が国で梅毒が急増していることをご存知でしょうか。都市部を中心に中高年男性や若い女性の感染が目立つようです。妊娠中に感染すると死産や胎児への障害を引き起こす可能性があり、厚労省も注意を呼びかけています。HIVの新規感染者も一向に減る気配はないようです。いずれも死に直結する病でなくなったとはいえ、母子の健康を脅かす非常に厄介な性感染症であることは間違いありません。品行方正なロータリアン諸氏には関係のないお話かと存じますが、春氷を渉ることなく、御身大切に願います。武勇伝はほどほどに、清く楽しくロータリーストーリーをおつむぎください。
今月11日で、東日本大震災発生から丸5年が経過します。悪夢のような巨大津波の映像が今も脳裏に焼きついています。公共インフラや災害公営住宅の整備が着実に進められているとはいえ、原発事故の影響もあって、いまだに18万人もの方々が避難生活を余儀なくされているそうです。被災者の方々の心労・悲しみがいかばかりか常に心に留め、微力ながら支援を続けていきたいものです。
さて、阪神淡路・東日本いずれの大震災においても、発生直後は、断水や停電、給配水管の損壊等により、多くの水洗トイレが使用不能となり、劣悪な衛生状態になりました。トイレを我慢して飲食を控えたため血流が悪くなり、ストレスも重なって心筋梗塞や脳梗塞で亡くなった方も多かったと聞きます。このような状況を経験すれば別でしょうが、蛇口をひねればいつでも飲み水が手に入り、寒い冬でも暖房付きの温水洗浄便座トイレで用を足せる恵まれた生活を送っている我々には、「水と衛生」問題といっても今ひとつピンとこない面があるかもしれません。
ユニセフの統計によりますと、今なお、世界では7億6800万人以上の人が安全な水を利用できず、25億人もの人がトイレを使えない(屋外排泄の)生活を送っています。そして安全な水やトイレがないことで下痢を患う子供があとを絶たず、5歳未満に限っては毎日約1500人が下痢が原因で亡くなっているのです。2010年の国連総会では、「すべての人が安全な水と基礎的なトイレを利用できること」を国際的な人権として決議しましたが、貧困層の人々には、この基本的な権利すら実現されていないのが現状です。
ロータリーでは、「水と衛生」を6つの重点分野の1つとして、世界各地で多くの会員がきれいな水と衛生設備をもたらす活動に懸命に取り組んでいます。井戸を掘ったり、雨水貯蔵システムを設置するだけでなく、それらの設備を維持する方法を地域の人々に教え、下水や汚水タンクとつながった水洗トイレを提供すると同時に、手洗いその他の衛生習慣を推進しているのです。
おりしも3月22日は「世界水の日」です。水のありがたさに改めて感謝するとともに、ロータリーの「水と衛生」プロジェクトに積極的に目を向けていきましょう。~ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず~。世の中は川の水のごとく無常ではありますが、決して無情ではありません。生まれてくる命のために、きれいな水を脈々と伝えていきたいものです。
今月は「ICU」にまつわるお話です。「集中治療室」ではなく、「国際基督教大学」の方です。そう、眞子さまに続き佳子さまも入学されたリベラルアーツ教育で名高い大学のことですが、実は、ICUとロータリーは浅からぬ縁で結ばれています。
ICUは1953年、「戦後の日本に、世界平和のため新しい大学を創ろう」という日米関係者の呼びかけに応じた市民の、広範な募金活動によって献学されました。そしてICU初代理事長に就任したのは、後に日本人初の国際ロータリー会長をつとめられた東ヶ崎潔氏だったのです。ICUのウェブサイトには、「全国のロータリアンの皆様へ」と題されたページが設けられており、そこには「東ヶ崎氏が発展に力を注いだ、ロータリークラブとICU両者に共通する点は、世界平和を願う思いであり、それは今日まで絶えることなく続いています。」と記されています。
ロータリーでは、「平和と紛争予防/紛争解決」を重点分野の一つに定めていますが、それを支援する活動の一環として、世界の七つの大学に六つの「ロータリー平和センター」を設置しています。その一つが、ICUの修士号取得プログラムなのです。同センターでは、紛争の予防や解決に必要な専門的スキルを教え、長期的な平和構築のために活躍できる人材を育てています。そしてロータリーは、年間最大100名のフェローに、同センターで学ぶためのフェローシップ(奨学金)を提供しています。同フェローシップ・プログラムは、2002年より開始されましたが、卒業した学友は900名に上り、その多くが国際連合等の国際機関や世界各地のNGO・政府組織等、平和と紛争予防/解決に携わる分野で活躍しています。
平和な世界の構築を目指して国際連合が創設されてから70年が経ちました。シリア内線やウクライナ危機を例にあげるまでもなく、世界各地で紛争は絶えることなく、テロの脅威は高まり、民間人犠牲者・難民の数は増加の一途をたどっていますが、安全保障理事会は拒否権を有する大国の思惑に翻弄され、国連が機能不全に陥っているケースが、残念ながら散見されます。国家の安全保障の限界が露呈し、人間の安全保障が声高に叫ばれる所以です。このような状況においても、決してあきらめることなく、紛争の予防や解決に必要な専門的スキルを身につけたグローバルな人材を地道に育成していくことが、平和な世界の構築への足がかりとなるのです。
みなさん、有為な人材に心当たりがありましたら、ぜひ、ICU等の平和フェローシップの候補者にご推薦ください。あわせて当活動への寄付をお願いできましたら幸いです。それではまた~CU!(See you!)
皆様お元気で新年をお迎えのことと存じます。本年もよろしくお願いいたします。
さて、今月は職業奉仕月間です。先輩諸氏から「職業奉仕は、ロータリーの原点であり基本である」と教わってきた会員も多いことでしょう。ところで、職業奉仕とは一体どのような概念なのでしょうか?
RI奉仕担当部が作成した「職業奉仕入門」の冒頭は、「職業奉仕を明確に定義することは簡単ではありません。」の文言で始まっています。そして、職業奉仕は、「職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること」を土台としている旨の説明がなされています。迷ったときは歴史に学びましょう。職業奉仕の理念を生み出したシェルドン氏の時代にさかのぼってみましょう。
ロータリークラブが創立された20世紀初頭のシカゴは、無秩序な自由競争のもと、資本家が労働者を搾取し、顧客や同業者をだましてでも金もうけに走る、職業倫理など無縁の殺ばつとした世界でした。そのような時代であったからこそ、心を許せる、信頼して取引のできる仲間同士が集まり、ロータリーが生まれたのです。当初のクラブ定款には、「第1節・会員の事業上の利益の促進、第2節・会員同士の良き親睦」と記されているのみで、奉仕の概念はありませんでした。会員同士の互恵取引中心の、どちらかといえば閉鎖的な組織だったのです。
そこに、職業奉仕の理念を導入したのがシェルドン氏でした。氏の奉仕理念は、事業を継続的に発展させるためには、自分のもうけを優先するのではなく、自分の職業を通じて社会に貢献するという意図をもって事業を営む、すなわち会社経営を経営学の実践だととらえ、さらには資本家が利益を独占するのではなく、従業員や取引先の人たちと適正に再配分することが継続的に利益を得る方法だと考えたのです。やがて世界恐慌が起こります。それまで職業倫理など無視して稼いでいた多くの事業者が次々と倒産していく中、ロータリークラブに所属している企業の多くが生き残り、ロータリーの評価が一気に高まりました。
そして、その職業奉仕の理念は、100年の永きにわたり、ロータリアンに大切に受け継がれてきたのです。どうか素直な気持ちで、今一度職業奉仕の理念を見つめ直し、各人なりに日々実践を心がけてください。ではどのように?
まずは、例会に出席することです。「ロータリーの例会は人生の道場」です。クラブには、職業を通じて貴重な経験を積まれた会員が大勢います。親睦を深め、卓話を拝聴し、諸活動に参加することで、職業繁栄の極意を、そして生き方のヒントを会得できる機会に恵まれるはずです。悪事については「見猿・聞か猿・言わ猿」で結構ですが(笑)、良いことは積極的に吸収・発信してまいりましょう。
本年も、皆さんにとって実り多い一年になりますよう祈念いたしております。
12月は「疾病予防と治療月間」です。折りしも今月10日の式典で、北里大学特別栄誉教授の大村智博士がノーベル医学生理学賞を受賞されます。何億もの人々を病魔から守っている同氏の功績と、慈愛に満ちた謙虚なお人柄について新聞等で拝見し、日本人として誇らしく、言葉につくせぬ清々しい感銘を受けました。同時に、川奈ゴルフコース付近の土壌から採取された微生物が治療薬の開発につながった云々のエピソードには、同じゴルフ愛好家として、大いに親近感を抱いた次第です。
ところで、今回は3名の方が医学生理学賞を受賞されていますが、その受賞理由は、大村博士とキャンベル博士については「回虫・寄生虫によって引き起こされる感染症の新しい治療法の発見」、トゥ・ヨウヨウ氏は「マラリアの新しい治療法の発見」によるものとされています。世界中の人々に対して「感染症にもっと関心をもってほしい」とのノーベル賞委員会からのメッセージが込められているそうです。
ちなみに、政府開発援助(ODA)白書には、「感染症」に対する我が国の取り組みが紹介されていますが、「三大感染症(エイズ・結核・マラリア)」、「NTDs(顧みられない熱帯病)」への対策と並んで、「ポリオ」の根絶が三大テーマの一つに掲げられています。そして、国際ロータリーは、1979年よりポリオ撲滅に向けての活動を開始し、1988年からは、世界保健機関(WHO)・ユニセフ等とともに、世界ポリオ撲滅推進計画(GPEI)の推進に積極的に携わっています。ではなぜ世界は、そしてロータリーは、ポリオの根絶にこれほどまでに力を注ぐのでしょうか?
ポリオは、ウイルスによる感染力の強い疾患で、感染者200人のうち1人の割合で、一生麻痺に苦しむ重篤な身体障害を引き起こします。治療法は全くありません。唯一できるのはワクチン接種による予防だけです。世界のどこかに1人でも感染者が存在する限り、すべての国の小児はポリオに罹患する危機にさらされているのです。1981年以来日本ではポリオ患者の発生はありませんが、いまだに予防接種が続けられているのは、このためです。
本年9月25日、WHOがナイジェリアを除外したことにより、ポリオ常在国(野生型ポリオの発症が続いている国)は、アフガニスタンとパキスタンの2か国を残すのみとなり、アフリカ全土のポリオ撲滅実現に近づきました。ロータリアンをはじめとした皆さんからの資金援助、何千人もの保険従事者の貢献、治安の悪い地域での新たな戦略による予防接種の普及活動など、持続的な努力が実を結びつつあるのです。ちなみに人類が根絶できた感染症は、これまでのところ「天然痘」ただひとつしかありません。感染症を根絶するというのは、それほど大変なことなのです。
国際ロータリーのラビンドラン会長は次のように述べています。「子供たちが一人残らずポリオの予防接種が受けられるよう大きな努力を払ってくださった皆さんに深く感謝いたします。これからも手を緩めることなく、ナイジェリアをポリオフリーに保ちつつ、アフガニスタンとパキスタンでもポリオをなくすことに力を注いでまいりましょう。」
何かとあわただしい年の暮れ、皆さん、どうかお健やかにお過ごしください。そして、“楽しく・明るく・元気よく”新たな年を迎えましょう。
鈴鹿が世界のSUZUKAになる、F1日本グランプリも閉幕し、秋の気配がますます深くなっております。おかげさまで、コースアウトすることなく、全ての公式訪問を先日終えることができました。各クラブの会長・幹事はじめ、多くの会員と率直に語り合う機会をもてましたことは、私にとってかけがえのない収穫であります。
さて、今月は「ロータリー財団月間」です。財団につきましては、公式訪問の際にも、さまざまなご意見・ご質問を頂戴しております。
ご案内のとおり、財団では、2013-14年度から「未来の夢プロジェクト」をスタートさせ、新たな補助金システム(「地区補助金」「グローバル補助金」)を導入しました。その中でも、地区補助金は、各地区・クラブにおいて、地元や海外の地域社会のニーズに取り組むための、比較的規模の小さい、短期的な奉仕活動(人道的プロジェクト・奨学金・職業研修チームの派遣等)に柔軟に活用できる、非常に使い勝手の良い補助金です。3年前に年次基金に拠出した寄付金の一定額が還流される、明朗なシステムになっており、各クラブの寄寄付・奉仕活動への積極的な取り組みを後押ししてくれています。そして、グローバル補助金は、ロータリーの6つの重点分野(「平和と紛争予防/紛争解決」、「疾病予防と治療」、「水と衛生設備」、「母子の健康」、「基本的教育と識字率向上」、「経済と地域社会の発展」)に該当し、持続可能かつ測定可能な成果をもたらす大規模な国際的活動支援のプロジェクトに利用されています。補助金の申請手続きその他、ご不明の点がありましたら、MY ROTARYをご参照いただくか、地区の財団委員会にお問い合わせください。
なお、ロータリー財団管理委員会が、2014年10月の会合で、今後3年間の優先項目として以下の4項目を承認しましたことを念のため申し添えます。
地区会員の皆様におかれましては、「世界でよいことをしよう!」のスローガンのもと、引き続きロータリー財団へのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
ときに今月21日(土)、22日(日)の両日、鈴鹿サーキットで本年度の地区大会を開催いたします。表彰台を獲得するのは、貴方のクラブです。セナやシューマッハが激走を繰り広げ、シャンパンファイトに酔いしれた聖地にて、皆様のお越しをお待ちしております。
現在、我が鈴鹿シティRCは、米山奨学生、韓国出身のイ・ヒス君の世話クラブになっています。同君は、大学で観光を専攻しており、将来的には、韓国の人々に日本の魅力を伝えることで、より多くの訪日観光客を招致する事業に携わり、日韓交流の促進に貢献したいという夢を持っています。例会に出席した際は、笑顔を絶やさず、またロータリアンへの感謝の気持ちを忘れず、自分から積極的に話しかけ、会員の輪の中に自然に溶け込んでいます。「将来、母国と日本の架け橋となって国際社会で活躍する優秀な留学生を奨学することを目的とする」米山奨学制度の趣旨をしっかりと理解してくれているようです。
同制度は、むろんRIに認定されていますが、日本のロータリー独自の事業であり、民間団体としては、国内最大の国際奨学事業となっています。これまでに支援してきた奨学生数は、今年7月現在、累計で18,648人、その出身国は、世界123の国と地域に及びます。元米山奨学生(米山学友)の中からは、母国で駐日大使になられた方や、日本語学校を開設された方など、親日派として活躍中の方が多く輩出されており、わが国の民間外交の一翼を担っています。
なお、米山奨学制度は、日本全国のロータリアンの寄付金を財源として運営されています。地区会員の皆様におかれましては、今後とも同制度の趣旨に賛同いただき、ご支援賜りますようよろしくお願いいたします。
さて、今月は、日本独自の強調月間としては「米山月間」であり、RI指定の特別月間としては「経済と地域社会の発展月間」であります。
世界では、毎日25,000人が、飢餓が原因で亡くなっており、また、1日1ドル未満で暮らさなければならない人が14億人近くいるといわれています。発展途上国に多い「絶対的貧困」の問題です。一方、日本では、「貧困線(2012年は年収122万円)」に満たない世帯の割合を示す「相対的貧困率」が、昨年は16.1%、つまりおよそ6世帯に1世帯が「相対的貧困」にあえいでいます。
貧困問題といってもその程度・態様・原因は様々で、支援を行う際には、実情にあわせて慎重に取り組む必要があります。単に物資を与えたり、インフラを整備するだけでは、地域の人々の自助努力の目を摘んでしまったり、あるいは環境を破壊してしまうなど、逆に有害になることすらあります。あくまでも、地域社会(の人々)が自力で発展していけるよう後押しする、良質な援助が求められているのです。
その点、RI財団は、慈善分野で傑出した団体として人々の信頼に値することが、米国で非営利団体の格付けを行う「Charity Navigator」により実証されています。まずは、RI財団への寄付等、自分たちでできるところから支援していきましょう。そして、クラブ事業として、あるいはRCC(「ロータリー地域社会共同隊」=ロータリークラブ会員以外の人々が、ロータリーの取り組みに賛同し、地域社会のためにボランティア活動をするグループ)事業として、よりより地域社会作りに向けて、積極的に取り組んでいきましょう。
ロータリアンには、「個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること」と「奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること」が奨励されていることを、絶えず心に留めておきたいものです。
今月は、「基本的教育と識字率向上月間」です。
ユネスコ(国連教育科学文化機関)によれば、識字率とは「15歳以上の人口に対する、日常生活の簡単な内容についての読み書きができる人口の割合」と定義されています。世界各国の状況をみますと、日本をはじめ99%以上の識字率を達成している国も多く存在しますが、中には30%しかない国もいくつかあり、全世界の平均値は約75%となっています。識字率の低い国は、アフリカ・アジアに集中しており、発展途上・政情不安な国に多いことが統計的にはっきりとあらわれています。たとえば、パキスタンの識字率は55%ほどですが、特に女性については低く、26%程度とされています。
皆さんもマララ・ユスフザイさんをご存知かと思います。パキスタンで、女性への教育の必要性を訴えて注目を集めた結果、(女性への教育を強く否定する)武装勢力タリバンに銃撃され瀕死の重傷を負いながらも、「銃弾では自身の行動は止められない」と教育の重要性を訴え続け、昨年、17歳でノーベル平和賞を受賞した勇敢な女性のことです。彼女は、同賞受賞後のスピーチで次のように述べています。
「私の村には、今も女子のための中学校がありません。私の願いであり、義務であり、挑戦、それは、私の友達や姉妹たちが教育を受けることができ、そして夢を実現する機会を手に入れることができるようにすることなのです。これは私にとっては出発点であり、立ち止まる場所ではありません。全ての子供たちが学校にいるのを見届けるまで、私は闘い続けます。……みなさん、私たちは今動くべきなんです。政治家や世界の指導者だけでなく、私たち全ての人が、貢献しなくてはなりません。私も、あなたたちも。それが私たちの務めなのです。」
彼女の言葉はまさに、ラビンドラン会長が今年度のRIテーマに掲げられた“世界へのプレゼントになろう”の理念そのものではないでしょうか。
ロータリーは、地元や海外の地域社会で、基本的教育と識字率向上のニーズに応えると約束しています。そして、アフガニスタン、カンボジア、ブラジル、バハマ、台湾、他世界各国で、基本的教育支援、識字率向上プロジェクトに取り組んでいます。
当地区各クラブにおかれましても、財団のグローバル補助金プログラムを活用するなどして、今後とも当プロジェクトに積極的・先進的に取り組まれることを希望しております。私たちロータリアンも、マララさんの熱い思いに共鳴しようではありませんか。
One child, one teacher, one pen and one book can change the world. Education is the only solution. Education First! -by Malala Yousafzai
一人の子供、一人の教師、一冊の本、そして一本のペン、それで世界を変えられます。教育こそがただ一つの解決策です。なによりもまず教育を! -マララ・ユスフザイ
平成22年から毎年、追手風部屋が名古屋場所中の宿舎を構えるようになり、我が鈴鹿市の白子(しろこ)地区では、大相撲がすっかり夏の風物詩になりました。普段は静かな港町ですが、人気の遠藤関目当てに、大勢の人が朝稽古につめかけています。
さて、連日満員御礼が続き、盛り上がりをみせる大相撲ですが、数年前には、不祥事で本場所や地方巡業が中止になるなど、文字通り土俵際(存亡の危機)に追い込まれていました。人気を回復し、大相撲の伝統を守るため、相撲協会の役員のみならず、力士、親方、協会職員等、関係者が一丸となって知恵をしぼり、旧態依然とした角界を変革しようと努力を重ねます。力士・親方衆は場所中でも気軽にサインや記念撮影に応じ、館内には野球場のようなビールの売り子が登場し、ツイッターで力士の素顔が情報発信され、横綱大関に赤ちゃんを抱っこしてもらえる特典付のチケットを発売し……といった具合に斬新な企画を次々実行していきました。経済状況の好転や、人気若手力士の台頭など、人気回復を支える要因はいくつもあるでしょうが、関係者が一丸となって取り組んだ「お茶の間と大相撲の距離を近づける」努力が、新たなファン獲得に着実に貢献しているのです。
ロータリーは今、存亡の危機に立たされているわけではありません。しかし、会員の減少を黙って見過ごすわけにはいかないのです。今月は、会員増強・拡大月間です。各クラブにおかれては、会員減少の原因を探り、今までの考え方を見つめ直し、独自の解決策を立案の上、会員の増強と維持に懸命に取り組んでおられるものと思います。K.R.“ラビ”ラビンドランRI会長も、「会員増強を図る上で、一貫性のあるかたちで、ロータリーストーリーをロータリアン以外にも分かりやすく伝えていかなければなりません。そして、今後も若い世代を重視するとともに、経験豊富な退職者にも入会してもらわなくてはなりません。一つの方法で、世界中の会員問題に対処することはできないという認識に立ち、地域別の会員増強計画を立てたのは適切であると思います。」と述べられています。
さあ、みなさん、今一度、本年度の重点目標を再確認してください。
以上4項目から3項目が達成できるよう、会員一丸となって全力で取り組みましょう。そして、“金星”=会長賞を獲得しようではありませんか。
いよいよ2015-16年度がスタートしました。今年度、国際ロータリー第2630 地区ガバナーを拝命致しました、鈴鹿シティロータリークラブ 岡田信春です。国際ロータリー(RI)のため、そして地区のみなさんのため、又、私自身を高めるため、精一杯努力してまいりますので、ご協力の程よろしくお願い致します。
さて、今年度のRI会長 K.R. “ラビ”ラビンドラン氏が掲げたテーマは「Be a gift to the world ~世界へのプレゼントになろう~」です。充実した意義ある人生を送るために、我々ロータリアン一人ひとりが、世界へのプレゼントとなる方法をみつけるべく、今こそ行動しなければなりません。
そこで、私は、当地区の活動方針テーマを「過去、現在・今、行動するロータリアン」と定め、以下の通り、5つの地区重点目標を掲げました。
1.会員増強と維持
1.財団寄付の推進
1.人道的事業の参加と推進
1.青少年(新世代)への貢献
1.デジタル化の推進とオンラインツールの利用
会員増強については、ラビンドラン氏も最優先課題に位置づけていますが、なんといっても魅力ある元気なクラブづくりこそが、その基本となります。会員一人ひとりが知恵をしぼり、主体的に、楽しみながら各事業に参加できるよう、クラブの活性化をはかりましょう。そして財団寄付の推進に加え、地域社会・国際社会において、人道的・文化教育的な奉仕活動に積極的に関わり、「世界へのプレゼント」になる方法を実践していきましょう。
一方、ロータリーの公共イメージの向上と会務の効率化には、デジタル化の推進とオンラインツールの利用が不可欠です。それは、ロータリーのすばらしさを会員に再認識してもらうことにもつながります。
これから、当地区全クラブの例会を順次訪問させていただきます。新たな出会いと懐かしい再会を、今から楽しみにしております。その時は、ぜひ「やあ」と声をかけあい、笑顔で語り合いましょう。みなさんが、ロータリーを通じて充実した意義ある人生を送られることを祈念し、就任の挨拶といたします。
生年月日 | 1951年5月5日 |
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職業分類 | 事務用品製造 |
所属クラブ | 鈴鹿シティロータリークラブ |
大同工業大学 卒業 | |
1974年 | 株式会社サンケイ 入社 |
1981年 | 三惠工業株式会社 株式会社サンケイ 代表取締役 就任 |
1991年 | 株式会社ギャルド 代表取締役 就任 |
1991年 | 鈴鹿ベイRC 入会 |
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1997年 | 鈴鹿シティRC 移籍 |
1997年~1998年 | 鈴鹿シティRC 初代会長 |
1998年~1999年 | 鈴鹿シティRC 会長 |
2005年~2006年 | 鈴鹿・亀山グループ ガバナー補佐 |
2013年~2014年 | ガバナーノミニー |
2014年~2015年 | ガバナーエレクト |
一般社団法人 日本オフィス家具協会 理事 |
公益社団法人 鈴鹿法人会 常任理事 |
鈴鹿商工会議所 議員 |
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